成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語

起業して、会社を成長させ、経済的にも社会的にも成功者としてメディアに取り上げられる経営者が抱える苦悩などの裏の側面、特に家庭問題について物語で形式分かりやすく記述されている。また、成長過程における課題やどのように突破していくのかといった各ステージごとの経営ノウハウについても具体的な例を用いて描写されており、0 > 1, 1 > 10のイメージを読者に持たせてくれる。新米CFOとしての読了後の感想・備忘録一筆書き。 1. 既に幸せがそこにあることを理解することの大切さ家族との平和な時間、笑顔でいられる時間。そうしたことが幸せであり、当然経済的に裕福であることに越したことはないが、その先に幸せがあるわけではないということはよくよく理解した上でビジネスに身を投じなければならない。大黒柱として家庭を経済的に支えることが役割ではあるが、お金を持って帰れば父としての役割が果たされるわけではない。また、日々子供の対応や家事というある意味では繰り返しに追われる妻が、夫の成功をどのような気持ちで受け止めるかという点については、相手の立場に立って考える必要がある。家族なのだから同じ方向を向いていると思うことに罠が潜んでいる。”「仕事のために、家庭があるんじゃないんだぞ。家庭が幸せになるために、仕事があるんだ。はき違えるんじゃない」” (p.118) 2. 企業のステージごとに中心となるべき役割が変わる。成長段階にある上では起業家のエネルギーをうまく取り込む必要があるが、一方で組織の拡大機でもあるため、実務家・管理者としてのバランスや下の意思の組み上げにも注力する必要があるアイデアが企業の成長には必要ではある一方で、実務基盤が整わないうちに次々を手をつけていくとどこかで綻びが出てくる。起業家のスピードと、組織の能力のバランスについては、管理者が最も注意を払い、起業家に正面から意見が言える立場でなければならない。ただし、アイデアが企業の成長の種である点には留意が必要であり、当然ながら起業家を蔑ろには出来ない。