ロシア・アヴァンギャルドのデザイン未来を夢見るアート

ロシア・アヴァンギャルドのデザインはとてもクールでいいです！...が、せっかくのポスターなどのオリジナルデザインの周りや、ページの余白部分に凝った装飾が施されていて、それが全体の印象に影響しています。当時のデザインだけを純粋に味わいたいのに、ちょっと難しいです。自分は当時のデザインの資料的な本として見たいので、文章メインのページは良いのですが、図版メインのページでは、この本のデザイナーさんにはもう少し控えて欲しかったなーと個人的には思いました。とはいえ格好よくまとめられてはいますので、以上をそこまで気にしなければ、本自体はスタイリッシュなデザインがたくさん載っていてとても楽しく充実した内容です。第1章は「ロシア・アヴァンギャルドの多彩で豊かなジャンル」として、ポスター（映画・商業・政治）、ブック・デザイン、絵本のデザイン、舞台デザイン、ファッションとテキスタイル、陶芸というジャンルで分けて紹介し、第２章では「ロシア・アヴァンギャルドのアーティストたち」として、代表的な11人のアーティストの作品を紹介しています。カンディンスキーやロトチェンコ などなど、それぞれの作風がわかり楽しいです。今は絶版？なのか価格が上がっているようですが、とても良い本なので再販されたらいいなぁ〜。